「もう、関わりたくないから」
はっきりそう告げて、傘を押し返した。
そのまま走り出す。
「おい、濡れるじゃねーか!」
そんな声が聞こえてきたけど、私は振り返ることなく走り続けた。
雨が叩きつけるように降っている。
心臓は焼けるように熱いのに、寒気が体中を駆け巡る。
できることなら、しばらく祐希ひ会いたくない。
でもゲームは始まってしまう。
そこでまだ問い詰めてくるだろうけど、愛海がいるから喋っちゃいけない。
絶対に祐希とは喋っちゃいけないんだ。
ようやく立ち止まると、雨宿りすることもなく道端に座り込む。
圭子は死んでしまった。
2度と戻ってくることはない。
愛海とは仲違いし、せっかく幼なじみとして接することができていた祐希とも、もう笑い合うことはない。
なんでこんなことに…。
しかも、まだゲームは続いている。
退会するには、クリアを重ねてポイントを手に入れるしかない。
自然に涙が溢れてきた。
それを雨が洗い流してくれる。
ずっと雨に濡れたまま、私は立ち上がることができなかった。
そして、地面が揺れた。
こんな時に、ゲームが始まるんだ…。



