「祐美はいいよね?」
うまく説明できないけど、それはとても嫌らしく聞こえてきた。
「家庭は円満だし、いつも大事にされてさ。友達だって多い」
「でも圭子は…」
「1人くらい居なくなっても問題ないじゃん」
「それ、本気で言ってるの?」
どうしても私も言い方が強くなる。
だって愛海は間違っている。
いくら自分の境遇が良くないからって、圭子が死んでいいことにはならない。
絶対にならない!
「別にいいじゃん、彼氏に励ましてもらえばさ」
「…彼氏?」
「これで祐希くんとうまくいくんじゃない?」
「なんでここで祐くんが…?」
「涙の一つでも流せば、抱いてくれるじゃん。祐美はさぁ、気づいてないんだよ」
「気づいてない?」
「そう。どれだけ自分が恵まれてるか。私にないもの全部、持ってるじゃん」
愛海の目に、これまで見たことのない光が見えた。
怒りなのか嫉妬なのか、とても冷たい目をしている。
「だからさ、一つくらい私にちょうだいよ」
「あげられるものなんて何もないでしょ?」
「そうかな?両親とかは無理だけど、いっこだけあるよね?」
「な、なにを言ってるの?」
「私にくれない?」



