それは、2度目の通告だった。
前回は、祐希が死り神を殺して助かることができたんだ。
そしてまた、2人は死り神を返り討ちにしようとしている。
「来るぞ!」
真っ暗な教室で、祐希が低い声で言った。
「分かってる!」
すぐさま、圭子が返す。
2人は戦う気だ。
だから圭子は、制限時間がまだあるのに【り】のつくものを探すのをやめた。
代わりに何か武器になるものを、探し始めたんだ。
また竹刀を部室に取りに行く時間はない。
圭子は今、竹刀の代わりに傘を握りしめている。
私は極力、2人の邪魔にならないよう、すり足で教室の隅に移動した。
圭子のことを助けたいとは思うけど、また誰かを殺してしまうかもしれない。
いや、そもそも死り神は現れるの?
死り神だった莉新まことを殺したんだ。もう死り神は居なくなった可能性だってある。
そうだ、きっとそうに違いない!
そんな私の淡い期待は、泡となって弾けて消えた。
明かりが戻った教室の中央に、お面をつけた死り神が姿を見せたからだ。
なんの足音もしなかった!?
いきなり近くに現れたことに驚いた圭子。
死り神は容赦なく鎌を振り下ろす__。