過保護な君の言うとおり




 佐久間がいなくなった部屋は穴ぼこ空いたみたいだった。追い出したのは私だ。



今日からまた一人、どうにも私には別れが多すぎる。



でも、佐久間を想うと心が和やかになるのを感じ、比較的穏やかでいられた。




しかしまあ洸は今日も下駄箱で待ち構え、毎度の如く私と寄り道をしたいと言い、微笑んだ。




 靴を履き変えようと下駄箱を開けると、中から紙が一枚落ちてきた。




洸に見られたら大変なことになりかねないので、さっと速やかにカバンの中にしまい、

そして何事もなかったかのように靴を履き替えた。




「行こう、玲。何か食べたいものはある?」




満足げに微笑んだ洸の人形へと、かつての私に逆戻りするのだった。




「特にない」


「そう、じゃあ。前から一緒に行きたかったところにしよう」




 好きにすればいい、と私は重い足を引き摺るように洸についていく。


彼といると途端に全てのことに無関心になってしまう。
楽しいとか、暖かいとか、悲しみまでもが剥がれ落ちてなくなってしまうのだ。