過保護な君の言うとおり




「そうだぞー。お前がもたもたしてたって愛しの玲ちゃんは帰ってこないぞー」




携帯をいじりながら、武田までが僕を揶揄った。




「わかってるよ、茶化すなって。本気で悩んでるのに」


「手がないなら、もうちゃっちゃと諦めて次の子を探せばいいだろ。お前顔いいんだからすぐ見つかるって、な?」


「それも考えた、けど」


「けど?」



神田が焼きそばパンを頬張りながらモゴモゴと聞き返す。



「無理だわ。他の子ってなるとなんか無性にイライラしてくる」



 武田が引いた目で僕を見てくる。



「お前、相当不気味だぞ」


「どこが」


「宮代さんの前と、そうでないやつとの差が激しすぎて、俺、怖すぎて吐きそうだ」



 あんまり僕は人によって態度を変えるようなことはしてないと思っていたので、とても驚いた。



「それに、愛しの玲ちゃんを失ったお前は、手をつけられないくらいに恐怖の対象になってる。
見てみろ、俺らの周りだけめちゃくちゃ避けられてる」



「じゃあどうすればいいんだよ。
三島さんには喧嘩では勝てそうもない。ほら、僕ってこんな感じで鍛えてもないし」



「知るかよそんなこと。いいか、お前のとり柄はな、愛しの玲ちゃんのことになると頑固親父も同然なことだ。

そして、大胆なアホになってしまう。

普通の感覚では好きな人の親の連絡先は知らないし。急に同居を申し込んだりしない」




 神田が食べかけの焼きそばパンを向けて、僕がどれくらい変かと言う事を滔々と語った。



「連絡先に関しては、たまたまだし」


「じゃあなんだ、お前は無意識に好きなやつの外堀を着々と埋めていたのか」


「なんて怖いやつなんだ。宮代さんに同情するよ」



 二人は口々にそう言った。



外堀を埋めるか……。



ああ、それも一理あるな。


玲ちゃんに無理強いはしたくない。僕の思いを彼女に強制してはいけない気がする。



ならば、僕から離れると選んだ道が、僕へと続いていればどうだろう。………それなら有りかな、玲ちゃん。