そんな時、佐久間のいない静かな部屋に、電話の音が鳴り響いた。電話に出ると秋子さんからだった。
「玲ちゃん、お誕生日おめでとう!」
受話器をとるなり第一声はとても明るい声で秋子さんが言った。
一瞬私はなんのことかわからなかったが、「そうか、今日誕生日だったか」と思い出した。
「何言ってるのよ〜。まだ玲ちゃん若いのに」
「すっかり忘れてた」
「お誕生日のプレゼント本当は直接渡したかったんだけど、今回は郵送で送ったから、楽しみにしていてね」
「うん。ありがとう」
電話を切ったのは、大体七時半を回っていた。
いくらなんでも連絡もなしに遅くなられては心配になってきた。
そう思って佐久間に電話をかけようと思うが、驚くべきことにずっと一緒にいるせいで連絡先を知らないのだ。
なんてことだ。



