過保護な君の言うとおり



 その時、委員長がスッと息を吸う音が聞こえた。



「あ、あの! 他学年の教室に来ることはこの学校では禁止されています。

な、なので恐れ入りますが、出て行って、もらえますか」


ゼエゼエと肩で息をしている委員長はドアを指差し、今にも裏返りそうな声でそう言った。



教室が一瞬静かになる。



本当に逞しくなったなあ、と感心するばかりだ。




「そういえば、そうだったね」



このクラスの静寂に押されたように洸は立ち上がる。



出て行くのかと思ったら、一度振り返って


「あ、そうだ。


玲は絶対俺のところに戻ってくる。


どんなに足掻こうとそれは変わらないよ、君は大事な人にはとことん弱いから」




と、そう言って去った洸の不気味な笑顔がいつまで経っても頭から離れなかった。