そんな切り出しをした私に、きょとんと目を瞬かせた後に雅貴さんは私に続きを促した。

 「結構、一人の時間が長いんですけれど。このリビングのテレビと、眺めはお気に入りなんです」

 そんな私の話に頷きつつ、雅貴さんはきちんと私の話を最後まで聞いて、そして笑った。

 「でも、この大きいソファーに一人で座ってるのは、なんか落ち着かないんです。元々こじんまりと過ごしたい質だとここに来て気づきました! 一人用のクッションソファーがほしいです!置いてもいいですか?」

 私の渾身のお願いは、クスクスと笑いつつも受け入れられた。

 「いきごんで話し出すから、どんなお願いかと身構えたけれど。可愛いお願いで安心したよ。明日、車を出すから一緒に買いに行こう。すぐ、使いたいんでしょ?」

 その言葉に、コクコクと頷いた私に、また笑って雅貴さんは今日、ちゃんと連れてきてくれました。

 なので、現在売り場に来た私は、使用感を確認中であります。

 ストンと腰を下ろした瞬間から、自分の身体に合わせて凹んでフィットする感じが堪らない!

 「まさしく、人をダメにするクッション……」

 ホワッとしつつ、のほほんと呟いた私に雅貴さんはクックと笑いをこらえている。
 もう、そこまでするなら笑っちゃったら良いと思う。

 「気に入ったみたいだね。クッションカバーはいろんな柄があるよ? どれにする?」

 クッションを買うのは決定と見た雅貴さんは、そのそばにあるクッションのカバーを指し示している。

 花柄から、無地にデニムっぽいものまでいろいろある。