綾川くんが君臨する

綾川くんを狙う女の子たちにとって、おそらくわたしは、突如現れた予想外の敵。


わたしだって、クラスでの自分の立ち位置くらい理解してる。

風間くんとの事故チュー事件のとき、影でヒソヒソと囁かれながらも、なんだかんだで最終的には許されてた。

それは、わたしが彼女たちの中で、“まあ、相手はあの咲綾ちゃんだし”、という具合に安心できる存在だったから。


クラスの中で圧倒的に冴えないわたしが、モテモテの風間くんと恋愛に発展するわけがない……って。