太ももの内側を、つーっとなぞられて、肌がびくっと揺れる。
その指先は無遠慮にスライドして、さらに奥に進んでいく。
いつもはスカートで隠れてる……ぜったい誰にも見せないところ。
「や……だめ……、だめっ」
最後に残った理性のひとかけらを頼りに、たしかな力で相手を押し返した、のに。
びくともしないどころか、わたしに仕返しするみたいに、指先にぐっと力を込められて。
「〜っ、……あぁっ」
力が抜けると同時に、無防備な声がこぼれた。
恥ずかしさにまみれて、涙がぽたぽた、次から次へと落っこちていく。
「……なん、で、だめって言ったらやめるって言った……っ、さっき」
「だめって言うまでするとは言ったけど、だめって言われたらやめるとは言ってないから」
「……綾川くんいつもそうやって……デタラメなこと、ばっかり」
「残念だけど整合性はちゃんとあるよ。“だめ”って言われるまでは行動を続ける意思を示したけど、“だめ”って言われた場合にどうするかについては一切言及してないからね」



