綾川くんが君臨する



──だから、驚くのも無理ないと思う。

用具室からカマとショウケを取ってきて、いざ、と、花壇の隅っこにしゃがんだ矢先。


背後から、黒い影がぬうっと覆い被さってきて


「お嬢さん、精が出ますなあ」


とか言うんだもん。


先生? 用務員の人?

それとも不審者……っ!?


一瞬であらゆる可能性と万が一の最悪な状況を模索した。

のだけど──意を決して振り向いた先には。



「ふふ、はは、お前オバケでも見えてんの」



とってもよく知った、とっても意地悪な顔があった。