刹那、それが今朝の光景とぴったり重なった。

ドクドクっと脈が高速で暴れ狂うのを感じた。


すかさずポケットに手を入れてみるも、
……、……ない!!


綾川くんが手に取る前になんとしても拾わなくちゃ……っ。

と振り向いたときには、すでに遅し。



「“近所のイケメンと出会い放題やり放題♡”………」

「っぁ、〜〜っ!!」


「へーえ。おとなしー顔してえっぐい遊びしてんだねお前」

「ちが、っ、それただの広告で、」


「風間にもバラそっかな。お前が好きな女はこういうのが趣味ですって」


意地悪な物言いにカチンときた。
同時にすごく傷ついた。


わたしが綾川くんにだけは誤解されたくなかったことを、楽しげにネタされて。

楽しげだけど、しっかり棘のある言い方されて。



「やめて、」

「そんなに風間に誤解されたくないんだ」

「っ、違うくて、わたしが誤解されたくないのは綾──」

「風間とのチュー、みーんなに見せつけることできて、さぞ気持ちよかっただろーね」