それは柚葉を縛っていた縄同様、腐った血の匂いがして、その場にいる全員が苦い顔をしました。

「これはおそらく柚葉が見た動物達が縛られていた木じゃないかな…」

雫は動物達が縛られていた木の下にある柚葉の心臓をゆっくりと持ち上げて柚葉のところに手渡しました。

「これ…だよね」

そっと柚葉の手に心臓を置くと柚葉は目に涙を溜めて微笑みました。

『……ありがとう』

柚葉は自分の心臓が乗った手をそっと胸にあてました。

すると心臓がスっと消えて、柚葉の中に入っていきました。

『雫、みんな…柚葉の心臓を探してくれて、見つけてくれてありがとう。柚葉、喜んでる

水葉は雫達にお礼を言うと姿が淡く光り始め空に昇っていきました。