「九条くんっ!」




改札を抜けたところで名前を呼ばれて振り向くと、



見知らぬ女にスマホを向けられた。




ムっとしたまま、そいつのスマホを手のひらで押し返すと



腕をつかまれた。



「あのさ、今度良かったら一緒に」




「触んなよ」




そいつの手を振り払うと、まっすぐに改札に向かった。



勝手に写真撮るとか、どんな神経してんだよ。