「あのね、目立つのは彩梅が超絶に可愛いから。



その見た目のせいなの! 



恨むなら、そのくるくるの大きな瞳を恨んでね。



ここで彩梅が帰ったら、



わざわざここまで来た意味がないよ。



今のままだと、ずっと愛犬のままだよ、それでいいの? 



オスのままなんだよ?」




「う、うん。がんばる……」




オスはちょっと関係ない気もするけれど。




「……萌ちゃん、ありがとう」




「ついでだよ。



今日、ここに来ることは随分前から決まってたし!」




「うん」




「大きい大学だし見つけられるかわからないけど、



偶然会えたら逃げ出さずに、自分から声かけるんだよ?



どうしてこんなところに来たんだって聞かれたら、



私のこと、言い訳にしていいからね?」




萌ちゃんの優しさが、心に染みる。