* * *



 今日は涼しい風が気持ちいい、いい朝になりそうだ。そんな事を思っていた矢先、事件は起きた。



 あれ……涼輔くん、と……誰だろう



 電車を降りてまず目に入った2人の男女。
 涼輔くんと……向かいのホームだからハッキリは見えないけど、同じ学校の1年生かな……?


 楽しそうに歩いてる2人に、少し胸がチクリと痛む。


 涼輔くんはとにかくモテるから、こんなこと日常茶飯事だろうに、いちいち気にするようになったのは……わたしが涼輔くんの事を意識してるからなのかな?

 前は女の子に囲まれていようが、こんな気持ちにはならなかった……


 モヤモヤの正体が分からないまま、わたしは学校へと向かった。