そしてどうして泣いてるのか理由を言うまで帰してもらえない。


康太は昔から心配症で察しがいいほうだからこういう時困る。


隠したいのに隠せない。


結局いつも康太にバレて言わなければいけなくなる。


「うん、ごめん真穂先に戻ってて。康太にも私は散歩してるとか伝えれたら伝えて欲しい。」


「OK!了解。まだ練習あるだろうしゆっくりでいいからね。私、生徒会室かグラウンドにいるから何かあったら来て。」


「うん。ありがと。」


真穂はじゃあねと手を振ってグラウンドの方へ歩き出した。


私は体育館から離れて校舎の方へ歩き出す。


生徒たちはグラウンドか、体育館で練習をしているため校舎は誰もおらず静かだった。


「誰もいないとこんなに学校って寂しいのね。」


教室に入ってももちろん誰もおらずシーンとしている。


聞こえるのはグラウンドで練習する生徒の声。


窓際に行きグラウンドの様子を見る。


一生懸命に走る生徒、女子のダンスを練習する生徒、障害物競走のハードル練習をする生徒…


たくさん生徒がいる中で私が目につくのは見慣れた人。


「康太、バク転の練習してる。ソロパートがあるって言ってたもんね。」


康太はバク転をしている…が正直言って綺麗なバク転とは言えない。


した後ヨタヨタしてるし、バク転するのがやっとですって感じ。


「なんでやらなきゃいけないんだとか言ってたくせに、頑張れてるじゃん。」