私、幸せものだったんだなぁ。


「美春…」


真穂がそういった時


「真穂、次移動教室だよ、行かないの?」


真穂にクラスメイトの女の子が話しかけてきた。


「あ…うん、行く。ちょっと待ってね…」


真穂は急いでカバンから教科書を取り出して準備をする。


「真穂がぼーっとするなんて珍しいね。どうかしたの?」


「あ…いや…」


真穂はちょっと困ったような顔をする。


そりゃ、死んだと思っていた人が目の前に現れたなんて言えるわけないよね…


言っても信じて貰えないだろうし…


この子は私の事忘れてるだろうし…


「もしかして東堂さんのこと考えてたの?」


え?


私の事?


真穂は私の名前が出てきて驚く私を見る。


そしてクラスメイトに向かって大きく頷く。


「うん、美春が会いに来てくれたの。夢みたい。」


「東堂さんが夢に出てきたってこと?」


「うん、まぁそんな感じかな?」


と笑う真穂。


私は未だにクラスメイトから自分の名前が出てきたことに驚きを隠せない。