黙って一緒に堕ちてろよ


いつになく素直でストレートな言葉に息が止まる。


普段はひねくれてるくせに。好きなものを語っている古茶くんの瞳は、まるで宝物を見つけた子どものようにキラキラとしていて。


……くっそ、調子狂うな。


「今度は簡単に弱み晒すんだね。どういう風の吹き回し?」


「知ってる?ヒトって脳みそちょっと傷つけただけで簡単に記憶飛ぶんだぜ」


「物騒だな……」


子どもゆえの無邪気、みたいな。普通にありそうでゾッとする。そうでなくても古茶くんがヤンキー思考なのは嫌ってほどわかってるけど。


そのあと、古茶くんが、「だって、ピアスはなんていうか……合法的じゃん」とつぶやいたのを、私は戯言だと思ってさして気にも留めなかった。


「っしゃ、終わったー」


「は?早くない?」


「お前と違って俺は要領いいからねー。てか、お前まだそんなに残ってんの?単純作業にどんだけ時間かけるつもりなの?トロいな」


「うーわ、うっざ」


「ったく、しょーがねーなー。ほれ、半分貸してみ」


「……え」