黙って一緒に堕ちてろよ


だって、なんかやりそうじゃん、古茶くんは。やりかねない。ヤンキーだもんね。


じとー、と、疑いの目で見ていると。


「自分で確かめてみなよ」


なにを思ったのか、古茶くんは、手のひらが上になるように、左手を差し出した。


真っ白い肌に、青い血管が透けて見える。それは、どこか恐ろしくもあった。


私は、言われた通りに確認しようとして、手首のボタンを外そうとする。けれど、慣れない位置からだとなかなか外せず、手こずる。


「うざったいなぁ。引きちぎっていい?」


「それでなんでいいと思うんだよ。やめろ」


外れそうでなかなか外れないボタンがじれったい。格闘すること数秒間。


なんとかボタンを外すことに成功した私は、現れたものを見て目を見開いた。


「……リストピアス?」


「そ」


「ピアス開けすぎじゃないの……そんなに開けてバレないのか心底疑問なんだけど」


「高校卒業したら唇にも開けたい」


「うへぇ、今ので十分なんじゃないの?そんなに好きなの?」


「うん。好き」


「……え」