「ほんとお前って怖いもの知らずっていうかさぁ」


何度か聞いたセリフだ。怖いもの知らずというよりは、古茶くんを恐怖の対象として見ていないだけなんだけども。


「古茶くんには言われたくないね。弱み握られてるってのに、相変わらず生意気だし」


「まぁね」


古茶くんは、それがさも当然であるかのように答える。


「その気になればお前なんか一発だし?」


「じゃあさっさとやればいいじゃん。はい、どーぞ」


「え」


私は両目を瞑り、「ん」と顔を差し出す。


「……っ」


「……?」


けれど、いつまで経っても反応がなにもないから、ちらり、と目を開く。すると。