古茶くんの唇から紡がれた、そのセリフの意味がわからなくて。理解に時間がかかって、思考は停止した。 なにもわからないまま、彼の顔が急接近。 さすがモテ男は違うなぁ。至近距離で見ても変わらず整っている。……なんて、ぼんやりと思いながら。 3センチ、2センチ、1センチ──きゅっと、防衛本能から、目を瞑る。 「────なんちゃって」 「……は」 思わずもれてしまった声は、なんの意味もなさない。 古茶くんは、すんでのところでぴたりと止まり、してやったり、と言わんばかりのしたり顔。