無言の古茶くんの瞳からは若干の呆れがうかがえる。
そんな目で見るのはやめてよ、私が間違ってるみたいじゃん。世の中の女の子がみんな古茶くんに興味を持ってると思ったら大間違いなんだよ!
心の中で抗議する。口に出してもよかったけれども、なんとなく、やめた。
「……彼女っていうか、今別れたから元カノ」
「別れたってか盛大に振られてたよね。ウケる」
「なんなのお前、ケンカ売ってんの?」
「え、お気づきでなかった……?」
綺麗な右ストレートが飛んできたけれどさらりとかわす。やっぱ暴力男じゃん、要注意だ。
「そういやさぁ」
私と古茶くんって付き合ってんのかって聞かれたよ。
今日の出来事を報告すると、案の定、古茶くんは爆笑した。
「あっはは、それ言ったの誰?ジョークのセンスあるよ、はは……は!あーおかし。誰がこんなダサ眼鏡と」
「ほんとにねー。よくそんなこと思いつくよね、ほんと面白い。誰がこんな勘違い野郎と」
「…………」
「…………」



