自分のからだを抱きしめて裏声で返すと、気色悪ぃ声出すんじゃねぇとか抜かしやがったので一発蹴り入れてやった。
「った!暴力反対っつったくせに……」
「女の子からの攻撃食らっちゃうなんてダッサー」
「この暴力女が……覚えてろ」
私が暴力女なら、古茶くんは暴力男だと思う。ブーメラン刺さってるけど大丈夫?
それに、私のなんて古茶くんに比べたら可愛いもんでしょ、と言ってやりたい。
「ただの迷惑料だし。それよか、今の誰?彼女?」
未だうめいている女々しい古茶くんに、野次馬精神で突撃する。
古茶くんは、長めの前髪をサラサラと横に流し、その間から瞳を覗かせた。
「……。気になる?」
「いや、古茶くんが誰とどんな関係を持っていようが私はどうでもいいけども」
「…………」



