黙って一緒に堕ちてろよ


◆︎


「付き合ってるの?」


「……へ?」


いつもだと絶対に出さないような間抜けな声が出てしまったのは、私のせいじゃないと思う。


廊下で話があるからと呼び止められて来てみれば。なんだか突拍子もないことが聞こえた気がしたんだけど。


え、なに、聞き間違い?もしくは幻聴?


壁を背にする私を囲むように立つのは、茶髪セミロングにメイクぱっちり、淡いピンク色のカーディガンを身にまとった、ゆるふわ〜って感じの子と、そのトモダチさんのふたり組。


ふたりとも仁王立ちで、わかりやすくご立腹だ。


「えーっと……なんて?」


自分の耳が信じられずにそう聞き返すと、ゆるふわちゃんは「だーかーらー」と、痺れを切らしたように繰り返した。


「古茶くんと岩倉さん。ふたりって付き合ってるの?ねぇ、どっち!?」


どうやら聞き間違いではなかったらしい。