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「付き合ってるの?」
「……へ?」
いつもだと絶対に出さないような間抜けな声が出てしまったのは、私のせいじゃないと思う。
廊下で話があるからと呼び止められて来てみれば。なんだか突拍子もないことが聞こえた気がしたんだけど。
え、なに、聞き間違い?もしくは幻聴?
壁を背にする私を囲むように立つのは、茶髪セミロングにメイクぱっちり、淡いピンク色のカーディガンを身にまとった、ゆるふわ〜って感じの子と、そのトモダチさんのふたり組。
ふたりとも仁王立ちで、わかりやすくご立腹だ。
「えーっと……なんて?」
自分の耳が信じられずにそう聞き返すと、ゆるふわちゃんは「だーかーらー」と、痺れを切らしたように繰り返した。
「古茶くんと岩倉さん。ふたりって付き合ってるの?ねぇ、どっち!?」
どうやら聞き間違いではなかったらしい。



