しっかし、なんとも面白みのない……。もっと、なんかこう、ないの?ドキドキするような、私を満たしてくれるような、そんななにか。
退屈しのぎになればいいなぁって、ちょっと期待してたのに。
「満足した?したらその写真消してくんない?ばらまかれでもしたら面倒なんだよね」
「満足してないよ。こんなんじゃまったく満ち足りないよ。役立たず」
期待はずれ。落胆を隠せずに、私は扉に体重を預けてズルズルとひざから崩れ落ちる。
そのままうつむいていると、影が落ちて。私と重なった。
私は上を向く。彼は、私と目線を合わせるように、私の前にしゃがみ込んだ。
「力尽くで奪うこともできるんだけど?」
彼は、力が抜けた私の左手首を乱暴につかみ、私の左手を自らの右手と重ね、組んで。開いたり閉じたり、きつく握ったり。を、繰り返す。
ほっそい指。力なんてなさそうなのに、ちゃんと男子。私は──無抵抗。されるがままになる。
「──。仮にそれができたとして、私がバックアップ取ってないとでも思う?」
「だからこうやって平和に『お願い』してんでしょ」
「いっ……」
……ったい。だから古茶くん、手が早いんだって。握られた手に、理不尽に力が加えられる。ありったけの力を込められているようにも感じる。やめてやめて壊れる壊れる。
「……古茶くん、あのさぁ」



