「……傷をつくる場面が増えたからねぇ」 持ち歩くようになったんだ、誰かさんのおかげで。冗談まじりにそうつけ足すと、古茶くんは「……悪ぃ」とつぶやいた。 謝る必要なんかないのに、変なところで律儀で真面目。そんな彼がおかしくて、クスリと笑った。 「そもそもそんな位置じゃ舐められなくない?」 「舐めてくれねーの?」 「アホ。舐めないわ」