「まぁ、それはお寂しいですわね……」

心から同情的な顔をして、レミリアが初めてまともな返しをした。

ひねくれを取ってしまえば、心優しい娘である。

それをバルニエ伯爵にわかってもらいたいと思っていたエマは、心の中で大喜びだ。

(レミリア様、非常にいい感じです。どうかそのままひねくれずに、いい子をアピールしてください。レミリア様の隠れた優しさを引っ張り出したバルニエ伯爵もグッジョブ!)

悲しい話題だというのに、エマは口角を上げてしまう。

するとバルニエ伯爵がチラリとエマを見た。

気を悪くされるかと慌てて笑みを消したが、彼の方が口元を綻ばせる。

ワインをゆっくりと口に含んで味わってから、魅惑的な笑みをたたえて伏し目がちに言う。

「バラに囲まれていると、愛に満たされた懐かしい日々を思い出す。心が慰められると同時に、喪失感も押し寄せるのです……。おっと。これは失礼。しんみりとした空気にしてしまった。デザートの後はゲームをしましょう。久しぶりに賑やかで、私は今、楽しい時間を過ごさせてもらっていますよ。ご心配なく」

豪華な晩餐は終わり、リビングに移動した五人はゲームをしている。