(これはブルロズに出てくる“課題”ね。レミリア様が真剣にやってくれてよかった。シンシア様が出す課題やクイズ、ミニゲームに挑戦することで、レミリア様のステータスが上がるのよ)

レミリアが鉄製オーブンの扉を開けるのを見ながら、エマは前世でプレイした料理の課題を思い出す。

パイやケーキをオーブンに入れると、徐々に焼き色がついていくのが画面で確認できた。

早く止めると生焼けで失敗となり、焦がしてもポイントはつかない。

それほど難しくはなかったが、ポータブルゲーム機を緊張しながら握っていた思い出がある。

(レミリア様、頑張ってください……)

レミリアの腰回りには、スモフキンがふわふわと飛んでいた。

慣れないパイ作りに悪戦苦闘しているというのに、まとわりついて邪魔そうである。

「ポッピィちゃん、どいて。パイを落としたら大変よ。花丸をもらえなくなるわ……あれ? 私、なんで必死にシンシアの花丸をもらおうとしているのかしら」

首を傾げつつ、レミリアがオーブンにパイを入れる。

手で押しのけられた綿犬は、クーンと甘えた声を出し、今度はシンシアの胸に鼻先を埋めた。