転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです（汗）

「面白い自己紹介だな。気に入った。俺はジェラルド。兄はロランス侯爵。三男坊だし、ジェラルドと呼び捨てていいから」

「そのようなことはできません。ジェラルド様とお呼びいたします」

「硬い、硬いよ。レミリアちゃん」

初対面の男性貴族にちゃん付けで気さくに呼ばれ、レミリアは戸惑っているようだ。

「俺のモットーは明るく楽しく人生適当に。まぁ、今すぐには無理かもしれないけど、いつかはジェラルドと呼び捨てて」

「はぁ……」

レミリアの瞳に呆れの色が滲んだが、ジェラルドはまったく気に留めない様子で、「ところで」と話題を変える。

「さっき、王太子殿下と楽しそうに話し込んでたよね。花嫁候補？」

「ち、違います！　話し込んでもおりません」

「え～、本当？　殿下の目がハートになっているように見えたけどな。誰にも言わないから、こっそり教えて。どんな付き合いをしてるの？」

エマは相変わらず、絡み合うバラの枝の間に顔を突っ込んで見守っている。

鼻息が荒く、誰かに聞かれやしないかと心配になるほど興奮していた。

ジェラルドは人気が高いキャラ。