すると、「キャッ」とレミリアの声がして、散策路の方から曲がってきた誰かとぶつかってしまったようだ。
「おっと」
レミリアを抱きとめてくれたのは、これまた見目麗しい貴公子。
明るい胡桃色の髪は肩下までと長く、ひとつに結わえている。
サラリと斜めに額にかかる前髪の下には、琥珀色の瞳が。
ライトグレーのタキシードを貴族的に着こなし、清涼感と気さくさを笑みに表した彼は、ジェラルド・カミーユ・ロランス卿。二十二歳。
ロランス侯爵の弟で、この園遊会で最後に登場する攻略対象キャラだ。
(続々とイケメンが……! モブだけど、ドキドキして私の心臓がもたないかも。レミリア様、頑張ってジェラルドとの親密度も上げてください!)
レミリアは赤い顔をして彼と一歩の距離をおき、頭を下げた。
「ぶつかって申し訳ございません」
「いや、こっちこそ。君は確か、レミリア嬢。モリンズ伯爵家の噂の深窓の姫……で、合ってる?」
「わ、わたくしは深窓の姫などではございません。ただの引きこもりです」
顔の前で手を振って否定したレミリアに、ジェラルドは明るい笑い声を上げる。
「おっと」
レミリアを抱きとめてくれたのは、これまた見目麗しい貴公子。
明るい胡桃色の髪は肩下までと長く、ひとつに結わえている。
サラリと斜めに額にかかる前髪の下には、琥珀色の瞳が。
ライトグレーのタキシードを貴族的に着こなし、清涼感と気さくさを笑みに表した彼は、ジェラルド・カミーユ・ロランス卿。二十二歳。
ロランス侯爵の弟で、この園遊会で最後に登場する攻略対象キャラだ。
(続々とイケメンが……! モブだけど、ドキドキして私の心臓がもたないかも。レミリア様、頑張ってジェラルドとの親密度も上げてください!)
レミリアは赤い顔をして彼と一歩の距離をおき、頭を下げた。
「ぶつかって申し訳ございません」
「いや、こっちこそ。君は確か、レミリア嬢。モリンズ伯爵家の噂の深窓の姫……で、合ってる?」
「わ、わたくしは深窓の姫などではございません。ただの引きこもりです」
顔の前で手を振って否定したレミリアに、ジェラルドは明るい笑い声を上げる。


