「モリンズ伯爵にお嬢様をお誘いしていいか、聞いてからにしましょうか。お父上の許可が得られたら、お越しいただきたい」
「父は、行きなさいと言うと思います。引きこもりのわたくしを心配しておりますので」
「でしたらなにも障害はありませんね。近いうちに招待状をお送りします。その時を楽しみにしております。約束ですよ」
「あの……」
レミリアの最後の呼びかけを聞こえなかったふりして、バルニエ伯爵は背を向けた。
足早にレミリアから離れ、エマの目の前を通ってバラの生垣の散策路へと去ってしまった。
(お宅訪問イベントゲット! その時になにが起きるのか、由奈にゲームを進めて教えてもらわなくちゃ)
今後に期待を膨らませるエマと違い、レミリアは困り顔だ。
数秒佇んだ彼女は、小走りにこちらへ来る。
「男性の家にひとりで行くなんて、私には無理よ……」
そんな独り言を呟いて、バルニエ伯爵の誘いを断るため、後を追っているようだ。
(レミリア様、いけません! 断らないで!)
声をかけることはできないが、エマは生垣越しにレミリアを追う。
「父は、行きなさいと言うと思います。引きこもりのわたくしを心配しておりますので」
「でしたらなにも障害はありませんね。近いうちに招待状をお送りします。その時を楽しみにしております。約束ですよ」
「あの……」
レミリアの最後の呼びかけを聞こえなかったふりして、バルニエ伯爵は背を向けた。
足早にレミリアから離れ、エマの目の前を通ってバラの生垣の散策路へと去ってしまった。
(お宅訪問イベントゲット! その時になにが起きるのか、由奈にゲームを進めて教えてもらわなくちゃ)
今後に期待を膨らませるエマと違い、レミリアは困り顔だ。
数秒佇んだ彼女は、小走りにこちらへ来る。
「男性の家にひとりで行くなんて、私には無理よ……」
そんな独り言を呟いて、バルニエ伯爵の誘いを断るため、後を追っているようだ。
(レミリア様、いけません! 断らないで!)
声をかけることはできないが、エマは生垣越しにレミリアを追う。


