領土を持たない底辺貴族なので、とある伯爵領の荘園管理を行って生計を立てているのだが、それがバルニエ伯爵の領地だ。
確か五年ほど前に妻と死別し、今は独り身。子供もいない。
(実家がお世話になっているバルニエ伯爵が攻略キャラのひとりとは、由奈から改めて全キャラの名前を聞くまで気づけなかった。レミリア様とは歳が離れすぎているのがネックよね。でも、レミリア様が惚れてくれるなら、バルニエ伯爵でも構わないけど……)
バルニエ伯爵は茶緑色の瞳にレミリアを映し、色気のある低音ボイスで口説いてくる。
「モリンズ伯爵は人がお悪い。このように麗しい白バラの令嬢を、今までお隠しになられていたとは」
「あ、あの……」
レミリアは明らかに戸惑っていた。
男性との会話スキルが低い上に、このように直接的に迫られては、ひねくれる暇もないようだ。
レミリアの右手を取ったバルニエ伯爵は、その甲に口づける。
「普段は領地に住んでいるのですが、しばらく王都の館に滞在することに決めました。ぜひレミリア嬢を我が家の晩餐にご招待したい。ご都合はいかかでしょう?」
確か五年ほど前に妻と死別し、今は独り身。子供もいない。
(実家がお世話になっているバルニエ伯爵が攻略キャラのひとりとは、由奈から改めて全キャラの名前を聞くまで気づけなかった。レミリア様とは歳が離れすぎているのがネックよね。でも、レミリア様が惚れてくれるなら、バルニエ伯爵でも構わないけど……)
バルニエ伯爵は茶緑色の瞳にレミリアを映し、色気のある低音ボイスで口説いてくる。
「モリンズ伯爵は人がお悪い。このように麗しい白バラの令嬢を、今までお隠しになられていたとは」
「あ、あの……」
レミリアは明らかに戸惑っていた。
男性との会話スキルが低い上に、このように直接的に迫られては、ひねくれる暇もないようだ。
レミリアの右手を取ったバルニエ伯爵は、その甲に口づける。
「普段は領地に住んでいるのですが、しばらく王都の館に滞在することに決めました。ぜひレミリア嬢を我が家の晩餐にご招待したい。ご都合はいかかでしょう?」


