「今日の茶葉は、フォントシモネールという茶葉専門店のダージリンだ。あの店の茶葉鑑定士はよい目と舌を持っている。紹介状を書こう。レミリア嬢がご自宅でも美味しい紅茶が飲めるように。いや、それとも、私の普段のお茶の席に君を誘ってもいい? 侍女殿が倒れられた時は断られてしまったが、今度はぜひ」
レミリアは左右に視線を向け、うつむいてしまった。
(レミリア様、お願い。断らないで……!)
エマの願いが通じたのか、それとも周りの貴族からの『まさか嫌だとは言わないよね?』と言いたげな圧を感じたのか、レミリアは「はい」と小声で答えた。
王太子が満足げに頷く。
「恥ずかしがりやな君の心をとかしてみたくなる」
そう言って周囲をざわつかせ、ひねくれ者の令嬢の頬も赤く染めた。
エマはひとり静かに興奮中だ。
(やった、やった! 親密度がグングン上昇するのが見える気がする!)
喜びに胸を熱くしたエマだが、冷静さを取り戻して、ふと考え込む。
(レミリア様のお相手は、もう王太子殿下で決まりだとしたいところだけど……一番、難易度が高いキャラなのよね)
レミリアは左右に視線を向け、うつむいてしまった。
(レミリア様、お願い。断らないで……!)
エマの願いが通じたのか、それとも周りの貴族からの『まさか嫌だとは言わないよね?』と言いたげな圧を感じたのか、レミリアは「はい」と小声で答えた。
王太子が満足げに頷く。
「恥ずかしがりやな君の心をとかしてみたくなる」
そう言って周囲をざわつかせ、ひねくれ者の令嬢の頬も赤く染めた。
エマはひとり静かに興奮中だ。
(やった、やった! 親密度がグングン上昇するのが見える気がする!)
喜びに胸を熱くしたエマだが、冷静さを取り戻して、ふと考え込む。
(レミリア様のお相手は、もう王太子殿下で決まりだとしたいところだけど……一番、難易度が高いキャラなのよね)


