招待客たちは紅茶のカップを手に、立ち歩いてバラを愛で、談笑している。
エマはバラの生垣の隙間から、その様子を覗き見る。
(レミリア様は……いた。ああ、もう、ぼっちじゃない!)
レミリアは青いバラの花を、興味深げに観賞中である。
青バラは品種改良を何度も繰り返し、技術の粋を結集させて生まれた品種である。
開発者が誰かは忘れてしまったが、初めてこの世に発表されたのは二十八年前だと聞いた。
エマやレミリアが生まれる前の話であるが、青バラは今でも簡単に観賞できる花ではない。
王家が開発者から品種の生産販売権を買い取り、それによってあと数年は栽培の独占権が王家にある。
これまで市井に出回ることはなく、大事に王城内でのみ育てられてきたのだ。
路地植えのものの開花はまだなようで、レミリアがしげしげと眺めているのは鉢植えだ。
きっと温室で育てたものを、園遊会のために出してきたのだと思われる。
背丈はエマの身長ほどで、ふた株あり、拳大の花を五つ六つ咲かせていた。
つぼみの方がまだ多い。
エマはバラの生垣の隙間から、その様子を覗き見る。
(レミリア様は……いた。ああ、もう、ぼっちじゃない!)
レミリアは青いバラの花を、興味深げに観賞中である。
青バラは品種改良を何度も繰り返し、技術の粋を結集させて生まれた品種である。
開発者が誰かは忘れてしまったが、初めてこの世に発表されたのは二十八年前だと聞いた。
エマやレミリアが生まれる前の話であるが、青バラは今でも簡単に観賞できる花ではない。
王家が開発者から品種の生産販売権を買い取り、それによってあと数年は栽培の独占権が王家にある。
これまで市井に出回ることはなく、大事に王城内でのみ育てられてきたのだ。
路地植えのものの開花はまだなようで、レミリアがしげしげと眺めているのは鉢植えだ。
きっと温室で育てたものを、園遊会のために出してきたのだと思われる。
背丈はエマの身長ほどで、ふた株あり、拳大の花を五つ六つ咲かせていた。
つぼみの方がまだ多い。


