(レミリア様もそうなのかも。レミリア様は由奈と違って、シンシア様を蹴落とそうとはしない。根は優しいのよ。持っていき場のない思いが、どうせ私なんて……とレミリア様をひねくれ者にしてしまったんだ。私もシンシア様と比較していた。申し訳ない……)

自分も含めた周囲の者たちが、レミリアをあのような性格にしてしまったんだと反省したエマは、なんとかしてバッドエンドを回避しなければと先ほど以上に思う。

由奈に少し待つように言ったエマは、スモフキンに問いかける。

「お尋ねしたいことがあります。由奈以外の前世の人との通話やメールはできますか? SNSに接続は?」

「できぬ。佐野由奈の夢の中での通話限定だ」

「そうですか。オフ会仲間と連絡取りたかったのに……」

バッドエンドを回避するには、レミリアに正しい恋の選択をさせなければならないが、ゲームの序盤しかプレイできなかったエマには正解がわからない。

前世の時間はブルロズの発売から一年と少し経ったところか。

オフ会仲間ならとっくに全キャラで攻略し終えているはずで、できることなら彼女たちから情報を得たかったが不可能なようだ。