中にあるのは粗末なベッドとむき出しの便器のみで、罪人たちの恨み言や怒声が聞こえてきた。
こんな悲惨な場所にレミリアも閉じ込められているのかとエマは心を痛めたが、どうやら違うようだ。
鉄格子の房の前を素通りしたダグラスは、突き当りの扉の鍵を開けた。
するとそこは天井の一部が吹き抜けとなっており、地上の光が届く明るい空間。
短い通路の先に普通のドアと鉄格子のドアが見える。
鉄格子の向こうは、ソファやベッド、キャビネットや書棚などの家具が置かれ、普通の居室と変わらない……いや、それより豪華に整えられ、花や絵画まで飾られていた。
この特別房は、地位のある者が罪人となった場合に使われるのだろう。
そのベッドの上で膝を抱えるようにして座っているのは、レミリアだ。
エマは駆け出して、鉄格子を掴む。
「レミリア様!」
弾かれるように振り向いたレミリアは、エマを見ると泣きそうな顔をして駆け寄った。
鉄格子に腕を入れて、ふたりは手を取り合う。
「こんなにおやつれになって……つらい思いをさせて申し訳ございません」
エマが謝れば、レミリアが強く首を横に振る。
こんな悲惨な場所にレミリアも閉じ込められているのかとエマは心を痛めたが、どうやら違うようだ。
鉄格子の房の前を素通りしたダグラスは、突き当りの扉の鍵を開けた。
するとそこは天井の一部が吹き抜けとなっており、地上の光が届く明るい空間。
短い通路の先に普通のドアと鉄格子のドアが見える。
鉄格子の向こうは、ソファやベッド、キャビネットや書棚などの家具が置かれ、普通の居室と変わらない……いや、それより豪華に整えられ、花や絵画まで飾られていた。
この特別房は、地位のある者が罪人となった場合に使われるのだろう。
そのベッドの上で膝を抱えるようにして座っているのは、レミリアだ。
エマは駆け出して、鉄格子を掴む。
「レミリア様!」
弾かれるように振り向いたレミリアは、エマを見ると泣きそうな顔をして駆け寄った。
鉄格子に腕を入れて、ふたりは手を取り合う。
「こんなにおやつれになって……つらい思いをさせて申し訳ございません」
エマが謝れば、レミリアが強く首を横に振る。


