「嘘をついて申し訳ありません。ダグラス様にどうしてもお願いしたいことがあって参りました」
エマの真剣な目を見て、ダグラスは頷いた。
ひとり戸惑っている若い騎士を下がらせてくれて、室内にはふたりきりだ。
椅子を立ったダグラスに歩み寄ったエマは、単刀直入に切り出す。
「レミリア様に会わせてください」
「それは……残念ですができません。誰とも面会させないようにとの命令を受けています。エマさんのご心痛はお察しします」
「あなたはレミリア様がスパイだとお思いなのですか? この罪状と刑罰が当然のものと考えているのですか?」
ダグラスが目を伏せたのは、痛いところを突かれたからであろう。
レミリアがそのような悪事を働くわけがないと、本心では思っているようだ。
けれども国家命令には背けない立場にあるので、エマの頼みを聞くことはできない。
「私は命令に従うのみです」
これ以上困らせるなと言いたげに背を向けられても、エマは説得を続ける。
「ダグラス様は間違いをふたつ犯しています。ひとつはレミリア様を閉じ込めていること。もうひとつはローズ家を滅ぼしにいこうとしていることです」
エマの真剣な目を見て、ダグラスは頷いた。
ひとり戸惑っている若い騎士を下がらせてくれて、室内にはふたりきりだ。
椅子を立ったダグラスに歩み寄ったエマは、単刀直入に切り出す。
「レミリア様に会わせてください」
「それは……残念ですができません。誰とも面会させないようにとの命令を受けています。エマさんのご心痛はお察しします」
「あなたはレミリア様がスパイだとお思いなのですか? この罪状と刑罰が当然のものと考えているのですか?」
ダグラスが目を伏せたのは、痛いところを突かれたからであろう。
レミリアがそのような悪事を働くわけがないと、本心では思っているようだ。
けれども国家命令には背けない立場にあるので、エマの頼みを聞くことはできない。
「私は命令に従うのみです」
これ以上困らせるなと言いたげに背を向けられても、エマは説得を続ける。
「ダグラス様は間違いをふたつ犯しています。ひとつはレミリア様を閉じ込めていること。もうひとつはローズ家を滅ぼしにいこうとしていることです」


