レミリアが捕らえられたという一報が届いた後、エマはすぐに屋敷を出た。
一週間、現実逃避していたわけではない。
レミリア救出のために、ひとり奔走していたのだ。
怒り顔の伯爵を呆れの目で見下ろしたエマは、封書について淡々と説明する。
「力になってくれそうな方々に、レミリア様のことでお願いに行ってたんです。こちらは皆さまに書いていただいた、王太子殿下宛の嘆願書です」
「なに?」
モリンズ伯爵が慌てて封書を手に取り、名前を確認する。
イケオジのバルニエ伯爵に、怪盗を卒業したジェラルド。
芸術サロンでエマのために曲を作ると言っていた、天才ピアニストのサミュエル。
その三人と付き合いのある貴族や豪商、司祭など、考えられる限りの人脈を駆使して、レミリアの減刑を求める嘆願書を三十五通も集めてきたのだ。
それを聞いて絶句しているモリンズ伯爵に、エマは腰に手を当てて指示をする。
「こちらを持って今すぐ王城に行き、王太子殿下に直接渡してください。こちらにはこんなに味方がいる。処刑を取り消してください……と交渉するんです」
一週間、現実逃避していたわけではない。
レミリア救出のために、ひとり奔走していたのだ。
怒り顔の伯爵を呆れの目で見下ろしたエマは、封書について淡々と説明する。
「力になってくれそうな方々に、レミリア様のことでお願いに行ってたんです。こちらは皆さまに書いていただいた、王太子殿下宛の嘆願書です」
「なに?」
モリンズ伯爵が慌てて封書を手に取り、名前を確認する。
イケオジのバルニエ伯爵に、怪盗を卒業したジェラルド。
芸術サロンでエマのために曲を作ると言っていた、天才ピアニストのサミュエル。
その三人と付き合いのある貴族や豪商、司祭など、考えられる限りの人脈を駆使して、レミリアの減刑を求める嘆願書を三十五通も集めてきたのだ。
それを聞いて絶句しているモリンズ伯爵に、エマは腰に手を当てて指示をする。
「こちらを持って今すぐ王城に行き、王太子殿下に直接渡してください。こちらにはこんなに味方がいる。処刑を取り消してください……と交渉するんです」


