転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです(汗)

ティーセットとフーズはレミリアが到着してから運ぶよう、申し付けてある。

この前は庭師がいらぬ気を回して青バラを持っていかせたため、ティータイムが台無しになってしまった。

なので今日は花を飾らないようにと指示をした。

代わりにサイドテーブルが三つ置かれ、その上に煌びやかな宝飾品や帽子や靴、バッグにショール、オルゴールや装丁を楽しむ飾り本など、レミリアへの贈り物が所狭しと並んでいる。

「殿下のお心遣いに、レミリア嬢はお喜びになられることでしょう」

オズワルドが贈り物を眺めてそう言った。

「どうだろうな」

この応接室には続き間があり、白いドアで部屋同士が繋がっている。

その続き間には、さらに多くの品々が用意されていて、もしレミリアが喜ばなかった場合、好きなものを選べと隣に連れていく算段でいた。

「あの娘は少々変わっている。アクセサリーやドレスを贈った際のお礼状を読む限り、あまり心を動かされてはいないようだった。一番喜んだのは、青バラの花束か……」

自ら口にした花の名に、顔をしかめてしまう。

できることなら青バラの株、全てを燃やしてしまいたい。