転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです（汗）

ただの一推論ではなく、限りなく真実に近いと判断したから、クリストファーに話したのだろう。

報告書には王家に対する深い恨みも綴られており、ローズ伯爵家の復興のためなら命も惜しまず、なんでもしそうな執念が感じられた。

「お前が調べたのだから正しいのだろう。つまり俺は、ローズ家の人間だったということか……」

クリストファーは苦悶の表情でそう言った後、急にくつくつと笑い出した。

「殿下……？」

訝しげなオズワルドに、クリストファーは冷ややかな目を向けた。

「お前はどうする。王家を欺いた犯罪者として、俺を訴えるか？」

「ご冗談を。私はクリストファー様の近侍です。王太子があなた様でなければお仕えする気になれません」

「忠誠心があると言うのだな。ならば秘密が漏れぬように、真実を知っているお前も死ねと命じたら、従うか？」

これにはオズワルドも動揺して目を見開いた。

だがすぐに平静を取り戻す。

「ご命令とあれば自害いたします。殿下の周囲から、脅威を完全に取り払った後に」

クリストファーはオズワルドを探るように見ていた。

この者を側近にしたのは、八年前のこと。