青バラをいたく気に入った国王は、生産販売権を高額で学者から買い取ったのである。
それは向こう三十年、独占的に栽培できる権利だ。
この話を聞きつけたローズ家は当然抗議した。
しかしながら主張は聞き入れられず、度重なる抗議を反逆と見なされ、爵位剥奪、領地没収の上、一族は罪人の町ザセブ送りとなったという。
クリストファーもローズ家のことは知っていたが、それは彼が生まれる前の話で、王家から青バラの権利を強奪しようとしていた由々しき一族だと聞かされていた。
マリアは強い信念を込めた瞳で、真っすぐにクリストファーを見据えている。
「あなたは私の子。ローズ家の人間なのよ。それが公にされたら、どうなるかしら……?」
クリストファーはゴクリと喉を鳴らした。
「脅すのか?」
「いいえ。あなたにはこのまま王太子でいてほしいわ。私の望みはひとつ。過去の王家の過ちを認めてローズ家を再興させて。それが母から息子への願いです」
赤子のすり替えは、ローズ家の再興という長期的な目論見の中で行われたという。
話の筋は通り、矛盾点は見つけられないが、それでもクリストファーは信じまいとしていた。
それは向こう三十年、独占的に栽培できる権利だ。
この話を聞きつけたローズ家は当然抗議した。
しかしながら主張は聞き入れられず、度重なる抗議を反逆と見なされ、爵位剥奪、領地没収の上、一族は罪人の町ザセブ送りとなったという。
クリストファーもローズ家のことは知っていたが、それは彼が生まれる前の話で、王家から青バラの権利を強奪しようとしていた由々しき一族だと聞かされていた。
マリアは強い信念を込めた瞳で、真っすぐにクリストファーを見据えている。
「あなたは私の子。ローズ家の人間なのよ。それが公にされたら、どうなるかしら……?」
クリストファーはゴクリと喉を鳴らした。
「脅すのか?」
「いいえ。あなたにはこのまま王太子でいてほしいわ。私の望みはひとつ。過去の王家の過ちを認めてローズ家を再興させて。それが母から息子への願いです」
赤子のすり替えは、ローズ家の再興という長期的な目論見の中で行われたという。
話の筋は通り、矛盾点は見つけられないが、それでもクリストファーは信じまいとしていた。


