転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです(汗)

バラに重なる文字は『た』で、他の絵でも同じことをして十六文字を書き出した。

「すごいよ、エマちゃん!」

ジェラルドは興奮を隠せない瞳にエマを映す。

「それで今日の盗品が示す文字は?」

『バラ園の女神』だけは、そのタイトル通りに無数のバラが描かれているので、どの文字を示したいのかがわかりにくい。

でも由奈から情報を得ているエマは、アッサリ答えにたどり着く。

「ひとつだけ異質のバラがあるでしょう。女神の耳飾りの銀のバラです。それに重なる文字を読んでください」

「なるほど!」

全ての文字を書き出してからも、ジェラルドはエマを頼るしかない。

なぜなら文字は平仮名で、日本人ではない彼は読めなくて当たり前なのだ。

ブルロズが日本のゲームであるから、そこは仕方ない。

エマは文字を並び替え、濁点も加えて読んであげた。

「ワガタカラハ、ダンロオク、カクシトビラ」

「暖炉? 実家の屋敷だよな。どの部屋の暖炉だろう」

腕組みをした彼の悩みも、エマはさらっと解決する。

「お父様の書斎です」

「そこまでわかるの? エマちゃんの魔力は並じゃないな。まさに千里眼だ」