転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです(汗)

「父はバラが描かれた絵が好きだった。けれど、エマちゃんの言う通り、これだけバラとは無関係だ。この絵は父がゴッポに描かせたものなんだ。画家の自画像を注文するのも変わってるよな。たまには異趣なものも愛でたくなったのかな」

(ああ、そうじゃなくて……)

ブルロズではプレイヤーが謎解きし、正解したらストーリーが展開する流れだが、ここは現実世界。

不自然なくふたりで解かねばならないのが難しい。

「透けるような薄い紙が欲しいです。ありませんか?」

エマが唐突にお願いすると、ジェラルドが不思議そうな顔をする。

「透ける紙……あるにはあるけど」

一度書斎を出てすぐに戻ってきた彼の手には、ラッピング用の薄紙があった。

「これでいい?」

「はい。ありがとうございます」

エマは定規で寸法を測って枠線を引き、絵の配列通りにカルタの平仮名を書き写した。

その字を濃く太く塗る。

「エマちゃん、なにしてるの?」

「これを見てなにかひらめきませんか?」

バラの描かれた別の絵に、その紙を重ねて見せたエマだが、ジェラルドは首を傾げるのみ。