紺碧の空には無数の星が散りばめられ、半月は金装飾のように輝いている。
暗い海に港の灯台の明かりがひと筋伸びて、まるで神が歩く光の道のように神々しい。
ほうっとため息を漏らしたエマが「綺麗……」と呟くと、フッと笑う声が頭上にした。
「せっかくなら楽しんでもらいたいと思ってさ。間もなく着いちゃうけどね」
降ろされたのは、孤島に建つ塔のてっぺんである。
強い海風にエマの特徴のない髪がなびいた。
眼下には小さな港があり、商船が数隻停泊している。
大きな倉庫や民家も数軒あるようだ。
「ロランス卿様、ここは?」
「ジェラルドでいいよ。実家の侯爵家とは距離置いてるし。ここは、俺のアジトだよ。といっても怪盗はひとりでやってるから、島で暮らす連中は商売で雇っている普通の民間人だ。あれ? 俺のこと詳しく知っているんだよね?」
「あ、ええと……大まかには」
ジェラルドはロランス侯爵の弟で、三兄弟の末っ子。
父親は三年前に亡くなったのだが、彼らがかなり大きくなるまで後継を誰にするのかはっきり決めなかったせいで、兄弟は無駄に競うようになり今でも仲は悪い。
暗い海に港の灯台の明かりがひと筋伸びて、まるで神が歩く光の道のように神々しい。
ほうっとため息を漏らしたエマが「綺麗……」と呟くと、フッと笑う声が頭上にした。
「せっかくなら楽しんでもらいたいと思ってさ。間もなく着いちゃうけどね」
降ろされたのは、孤島に建つ塔のてっぺんである。
強い海風にエマの特徴のない髪がなびいた。
眼下には小さな港があり、商船が数隻停泊している。
大きな倉庫や民家も数軒あるようだ。
「ロランス卿様、ここは?」
「ジェラルドでいいよ。実家の侯爵家とは距離置いてるし。ここは、俺のアジトだよ。といっても怪盗はひとりでやってるから、島で暮らす連中は商売で雇っている普通の民間人だ。あれ? 俺のこと詳しく知っているんだよね?」
「あ、ええと……大まかには」
ジェラルドはロランス侯爵の弟で、三兄弟の末っ子。
父親は三年前に亡くなったのだが、彼らがかなり大きくなるまで後継を誰にするのかはっきり決めなかったせいで、兄弟は無駄に競うようになり今でも仲は悪い。


