転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです(汗)

けれども攻撃される前に気づいたジェラルドが、巧みに避ける。

「おっと危ない。俺が上に逃げると思ってあらかじめ上空に待機させておくとは、考えたね。でもね、上に逃げるだけが俺じゃないんだよ」

ハンググライダーが急降下したので、エマは悲鳴を上げた。

遊園地のジェットコースターなど比較にならない。

墜落するのではないかという恐怖に必死に耐えていた。

ジェラルドは王都の街の中を、建物の間を縫うように飛ぶ。

セールの幅は道幅ギリギリで、建物の外壁にぶつかりそうな細道をあえて選んで飛んでいるようだ。

竜の方が横幅があるので、細道に入れば追ってこられないだろうという作戦らしい。

竜騎士団をまいて王都の南東から飛び出したハンググライダーは、また高度を上げる。

一度見失えば、黒ずくめの彼の姿を夜空に見つけるのは難しいようで、その後は竜騎士に追われることなくゆったりと海の方へ飛ぶことができた。

「エマちゃん、もう無茶な飛行はしないから怖がらなくていいよ。ごらん、綺麗だろ?」

そう言われて、エマはやっと意識を景色に向ける。