転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです(汗)

どう言い訳しようかとエマがおろおろしていると、不愉快そうな舌打ちが聞こえた。

「その辺で降ろそうと思ってたけど、もう少し付き合ってもらう。竜騎士団もお出ましのようだしな」

追ってきた翼竜が二頭、ハンググライダーを挟むように並んだ。

左側を飛ぶのはダグラスだ。

「エマさんを解放しろ!」

胸に竜騎士団のエンブレムを輝かせたダグラスは、初めて見る険しい顔をしていた。

槍の先を怪盗に向ける姿は凛々しく、思わずエマは胸をときめかせる。

(イケメン竜騎士団長に助けにきてもらえるなんて、まるでヒロインにでもなった気分……)

ジェラルドに焦りはなく、それどころか楽しげな口調でダグラスをからかう。

「知り合い? やけに熱くなっちゃって。エマちゃんは、あんたの女?」

「ふざけるな。臣民を守るのが我らの務めだ。かかれ!」

ダグラスの号令で真上に竜の羽ばたきの音がした。

上空に他の竜騎士を待機させていたらしく、ハンググライダーのセール越しに鋭い爪のシルエットが見えた。

セールを裂いて骨組みを鷲掴みにし、捕らえる作戦のようだ。