転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです(汗)

他のキャラとの可能性もまだ残されてはいるが、②を選べばもうジェラルドは今後出てこない。

対して①を選んでも、王太子はメイン攻略キャラであるためまた登場する。

そこから王太子とのハッピーエンドに必要な目標値まで親密度を上げるのは、大変かもしれないが。

エマとしてはジェラルドエンディングの可能性を残したい。

だからここへ来るまでの馬車内では、星が綺麗だの夜空を飛べたら素敵だのとレミリアに話しかけた。

部屋にこもって久しぶりに読書にふけることを許した昨夜も、勧めたのは怪盗が出てくる読み物であった。

(レミリア様、ここの選択は大事ですよ。いろんなキャラとのエンディングの可能性を残しておきたいので、どうか飛んでみたいと夜空を見上げてください……!)

その願いもむなしく、レミリアは「嫌っ」と叫ぶと、王太子に向けて精一杯、手を伸ばした。

その手を掴んだ王太子は、強く引っ張り、怪盗からレミリアを取り戻した。

「レミリア嬢、怖い思いをさせてすまなかった……」

王太子に抱きしめられたレミリアは顔を耳まで火照らせている。