転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです(汗)

騎士を押しのけて前に出たのは、王太子クリストファーだ。

美麗な顔をしかめて怪盗ローズを睨みつける。

「その絵はくれてやるから、レミリア嬢を即刻解放しろ」

きっと値段もつけられないほどであろう名画をくれてやるとは、王太子の決断に皆が驚いていた。

けれども怪盗ローズはその取引を信じていないかのように鼻で笑った。

「その手には乗らないよ。このお嬢ちゃんを放したら、絵画を傷つけてもいいから捕まえろと命じるつもりだろ? 目の前でまんまと持っていかれたら面目丸潰れだしね」

「面目などどうでもいい。レミリア嬢を助けられぬ男になるより、嘲笑される方がましだ。俺を信じろ」

「どうしよっかな。この娘に決めてもらおうか。ねぇレミリアちゃん、俺と夜空を散歩しない? 星や月に手が届きそうで楽しいよ。少しの時間、付き合ってよ」

怪盗ローズがそう言った直後に選択肢が出た。

①【夜空を飛べるの?】
②【嫌です。お助けください、王太子殿下!】

三択ではなく二択なのは、王太子とジェラルド、どちらとエンディングを迎えたいのかをプレイヤーに決めさせるためだと思われる。