転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです(汗)

(ナルシストということはプライド高め。初めの出会いで病弱を見抜くのは早い気がするから、正解は②かな。演奏を褒めているのもサミュエルを満足させそう。③はきっとマイナスポイント。彼はメイン攻略キャラじゃないから、ここで③を選ぶと二度と登場しない気がする……)

エマは扉の陰から顔を出して、口をパクパクさせている。

②を選んでと伝えたかったのだが、レミリアがエマに気づくことはなく、両腕を突っぱねて抱擁を解くと冷たく言い放つ。

「嘘をついて心配させようなんて許せないわ。触らないで。せっかくいい演奏だったのに台無しよ。二度と聞きたくない」

(ああ……終了……)

立ち上がったレミリアが、頬を膨らませてこっちにきた。

「エマ、そこにいたの? 早く戻りましょう」

「はい、あの、先に戻ってください。私はちょっと……」

「あの人の心配はいらないわよ。仮病ですって」

フンと鼻を鳴らしたレミリアが観客席の方へ歩き去るのを見届けてから、エマはバルコニーに出た。

(もう無理だと思うけど、レミリア様のフォローをしておこうかな……)

サミュエルは変わらない姿勢でうつむいていた。